久しぶりの笑い声

まだスポーツセンターにいるころの事でした。

ある日、廊下で人の話す声が聞こえました。
ドアをトントン、それから話し声。
またトントン、話し声。
なんだろう?

今度はボクたちの部屋をトントンとたたく音がしました。

出てみるとボクと同じくらいでしょうか、30歳くらいの男の方が立っていました。
渡された名刺を見てみると、共同通信社の記者だということでした。

少し避難中の事を聞かれました。
それからアンケートを書いてくれませんかと頼まれました。

見てみると、避難してて不安に思っている事、今一番やりたいことは何か、などの質問事項が書いてありました。

さらっと書いて渡しました。

毎日大変だったのでそんな事があったこともすっかり忘れていました。

数週間が経ちました。

母が地元ではよく読まれている福島民報新聞を読んで、「ちょっとちょっとこれ見て」と笑っていました。

そこにはボクの書いたコメントが載っていました。
今一番やりたいことは何ですか?という質問に対するコメントでした。

「富岡町の会社員 猫之介 (35) 家に帰って、置いてきた猫と遊びたい 」

母は小学生みたいだと笑っていました。

新聞に載るなんて ちょっとびっくりしました。久しぶりに親子で大爆笑しました。

後日、以前の会社に復職した際にボクのコメントを読んだかみんなに聞いてみました。

誰も知りませんでした・・・

まぁ、そういうものなのですね。

新聞記事

猫之介

投稿者: 猫之介

富岡町の住人です。原発事故により避難生活を余儀なくされています。かつての愛猫のしま次郎を探しています。どうか無事でいますように・・・

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