甲状腺の病気

2011年11月のことでした。

それまでいろいろな事がありましたが、震災以前の職場に復帰し健康診断がありました。

ボクはあまり丈夫な方ではありませんが、とりわけ何かの病気の自覚症状もありませんでした。

強いていえば、祖母が大腸がんで亡くなっていますし、自分も胃腸は弱いので自覚症状はなくとも大腸がんにはいつも警戒していました。

1ヶ月後、検査結果がきました。

確か2年前にも健康診断は受けていましたし。その時は異常はありませんでした。今回も何もないだろうと思っていました。

しかし、結果は・・・

要検査でした。血液の値に異常がみつかりました。

肝臓の病気か白血病の恐れがあるという事でした。

とうとう年貢の納め時が来たか・・・

でも自分は昔から40歳まで生きられれば満足だと考えていました。

年老いて周りに迷惑をかけてしまうなら、そして嫌がられて長生きするなら、いっそ惜しまれて若いうちに死んだ方がよいのではないかと思う事がしばしばあったからです。

自分は人並みの普通の人生が送れればそれで満足でした。

結婚して子供ができて、ある程度収入もあって・・・

でも結果的には独り身です。おそらく自分には結婚は夢のまた夢です。

職場もいろいろな事があって転々としてきました。人間関係でいつも失敗してしまいます。

人生の負け犬である自覚はあります。

人によって幸せの定義も違うのは確かだとは思いますが、自分の人生は幸せとはほど遠い人生です。

だから、本当のところ、たとえガンであったとしても悔いはありませんでした。

そうこうしているうちにお正月も来て、1月に入ってまもなく自宅近くの病院に行きました。

再び受けた血液検査の結果は・・・。

もっと大きな病院である仙台市立病院への紹介状が書かれ、精密検査を受ける事になりました。

やはり予想通りか。

それから3週間ほどして私立病院で検査を受けました。

血液を大量に採取していろいろな検査をしたようです。1日に2回も採血し、計、注射器5本分ほど(?)採ったようでした。
もちろんレントゲンやCTなども受けました。

検査の結果は甲状腺機能亢進症というものでした。

まったくの意外な結果に驚きました。

甲状腺?原発事故による事故の影響なのでしょうか?

医者に伺ったところ原発との関連はわからないという事でした。医者も軽はずみな事は言えないというのも理解できます。

原発事故から半年程度で発症するのかという疑問もありましたが、僕の場合はまだ症状も軽いから発症したばかりであるとも考えられました。

果たして原発事故との因果関係はあるのでしょうか?

それとも原発事故前からすでに発症していたのでしょうか?確かに、少し前から多少の動悸や手の震えはありましたが、他は自覚症状はありませんでした。

真実はわかりません、ただわかっている事は自分は甲状腺の病気になったという事です。

調べてみると甲状腺機能亢進症は決して軽い病気ではないようでした。悪化するといろいろな悪い症状が出てくるそうです。

手術か薬による治療か迷いました。

薬は強い薬で副作用が怖いそうです。へたをすると命をおとすような。誰でも効くわけではないそうです。

それに一生飲み続けないといけないようでした。検査も定期的に受けないといけません。それには採血つまり注射をしないといけません。痛いです。

一方の手術は初めから嫌でした。首回りを大きく開き、生々しい傷も残ります。
それにやはり甲状腺を取ってしまうので一生ホルモン剤は飲まないといけないそうでした。

どっちにしろ一生薬は飲み続ける必要があります。

でも自分の考えはある程度すでに固まっていました。副作用が出ない限り、薬による治療をお願いしょうと。

あれからほぼ3週間おきに採血をし薬を飲み続けています。治療を初めて半年以上が経過しました。

幸い副作用も出ずに、最近は薬の量も減りました。

東電は因果関係が証明できなければ補償はできないの一点張りです。

まったく関係ないとも言い切れないとは思いますが。体のことなのに因果関係などいったいどのように証明しろというのでしょうか?
ただ、これからボクとおなじように甲状腺に異常がみつかる人が出てくるなら、その時東電も国も対応を考えざるをえなくなるでしょう。実際に、数人ではありますが甲状腺がんにかかっている子供がみつかったと報道されています。
被災者なので今は治療費はかかりませんが、念のため通院した際の明細はすべてとってあります。毎月通院するにしても大変な労力と時間がかかっています。

ボクももう少しだけ生きられそうです。

そうだよね。生きたくても生きられない人もいるし、丈夫でなくても五体満足で手も足もあります。

視力も落ちてはいるけど眼も見えます。耳も聞こえます。

一人前でなくとも好きな機械設計の仕事もしています。

もう少しだけ、いや、命続く限りはがんばろうと思っています。

例え人並みの幸せを得ることができなくても・・・

 

診断_1

猫之介

投稿者: 猫之介

富岡町の住人です。原発事故により避難生活を余儀なくされています。かつての愛猫のしま次郎を探しています。どうか無事でいますように・・・

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